2026年、Bリーグの選手年俸をめぐる環境は大きな転換期を迎えた。2026-27シーズンから始まった「B.革新」によって、B.LEAGUE PREMIER(B.PREMIER)、B.LEAGUE ONE(B.ONE)、B.LEAGUE NEXT(B.NEXT)の3カテゴリーに再編され、選手の最低年俸やクラブ単位のサラリーキャップ、契約情報の公開方法も新しくなっている。
一方、検索で見かける「Bリーグ年俸ランキング2026」には、推定金額と公式発表が混在している。選手個人の年俸は全面公開されるわけではなく、最高年俸や平均年俸についても、確定した数字として扱える範囲には限りがある。特に2026-27シーズンは、報酬レンジ別の人数を公開する新制度が導入される点が注目される。
【結論】Bリーグの年俸は選手個人ごとに公表されている?

最初に押さえておきたいのは、Bリーグには選手全員の実際の年俸を一覧にした公式ランキングが存在しないという点だ。
選手がクラブと結ぶ契約には基本報酬や契約期間などの条件があるが、個人の基本報酬額を一般向けに全面公開する仕組みにはなっていない。富樫勇樹選手のように本人が金額を公表した例はあるものの、すべての選手に同じ扱いが適用されているわけではない。
ただし、2026-27シーズンからは従来より情報公開が進む。
B.LEAGUEは2026年1月13日、「B.革新」に向けた競技レギュレーションの詳細を発表した。そこで明らかになったのが、クラブのサラリーキャップ総額と選手の報酬レンジ別人数を公開する新しい方式だ。
B.PREMIERでは、選手個人の名前と具体的な基本報酬額を直接結び付けることはしない。一方で、1億円以上、8,000万円以上など6段階の報酬レンジに分け、該当する選手の人数を公開する。
また、契約期間やオプションについては、選手名とともに公開する。プレーヤーオプションなのか、チームオプションなのかといった契約条件も、ファンが把握できるようになる。
つまり、2026-27シーズンのBリーグは「年俸は完全非公開」という従来のイメージから、金額の分布と契約条件を段階的に見せる制度へ移行したのである。
【2026-27最新】最低年俸・新人上限とサラリーキャップを比較
新制度で特に重要なのが、B.PREMIER、B.ONE、B.NEXTで異なる最低年俸とサラリーキャップだ。
これらは選手個人の最高年俸を決める数字ではない。最低年俸は選手との契約に関する基準、サラリーキャップはクラブが選手に支払う報酬総額の管理基準であり、意味が異なる。
| 項目 | B.PREMIER | B.ONE | B.NEXT |
|---|---|---|---|
| 最低年俸 | 800万円 | 360万円 | 290万円 |
| 新人選手の上限 | ドラフト報酬表に準拠 | 460万円 | 460万円 |
| 高卒選手の報酬区分 | ドラフト報酬表に準拠 | 120万円/シーズン | 120万円/シーズン |
| 大卒選手の報酬区分 | ドラフト報酬表に準拠 | 300万円/シーズン | 300万円/シーズン |
| サラリーキャップ上限 | 8億円 | 4億円 | 設定なし |
| サラリーキャップ下限 | 5億円 | 1.5億円(本入会)/1億円(仮入会) | 設定なし |
| 基本報酬の公開 | 6段階の報酬レンジ別人数 | クラブの総額 | 公開なし |
※金額は消費税別。サラリーキャップはクラブ単位の金額で、上限・下限のその他の税金等の扱いは公式規定に従う。
B.PREMIERは最低年俸800万円、上限8億円最上位カテゴリーのB.PREMIERでは、選手の最低年俸が800万円に設定されている。
クラブのサラリーキャップは上限8億円、下限5億円。選手全体の報酬水準を一定以上に保ちながら、過度な人件費競争を抑制する仕組みだ。
なお、8億円は選手1人の年俸上限ではない。クラブが所属選手に支払う報酬等を合算して管理する数字である。
また、最低年俸800万円は一般の契約基準であり、新人選手についてはドラフト報酬表に従う。2026年9月9日のドラフト制度改定では、2026-27シーズンに開催される第2回ドラフトから、3巡目以降の指名選手を一律800万円とする方針も示された。
B.ONEは最低360万円、B.NEXTは290万円B.ONEの最低年俸は360万円、B.NEXTは290万円。B.PREMIERと比較するとカテゴリーごとに最低報酬の基準が異なる。
B.ONEのサラリーキャップは上限4億円。下限は本入会クラブが1億5,000万円、仮入会クラブが1億円となる。
一方、B.NEXTにはサラリーキャップが設定されていない。ただし、最低年俸や新人選手の報酬上限は設けられている。
新人選手については、B.ONEとB.NEXTともに原則として上限460万円。国内外を問わず、高卒選手は120万円、大卒選手は300万円という区分もある。
このように、2026-27シーズンからは所属カテゴリーだけでなく、選手の経歴やドラフト経由かどうかによっても報酬条件が変わる。
【年俸ランキング】最高年俸・平均年俸を断定できる範囲
「Bリーグで最も年俸が高い選手は誰なのか」「平均年俸はいくらなのか」という疑問は多い。しかし、2026年時点で公式に確定した選手別の最高年俸ランキングは公表されていない。
日本人初の1億円プレーヤーは富樫勇樹歴史的な実績として知られているのが、千葉ジェッツの富樫勇樹選手だ。
2019年、富樫選手は日本人選手として初めて年俸1億円を達成したことを公表した。B.LEAGUE公式サイトの本人インタビューでも、年俸1億円の発表に踏み切った経緯が紹介されている。
当時の発表は、単に高額契約を知らせるだけのものではなかった。プロバスケットボール選手を目指す若い世代にとって、競技を職業として続ける可能性や、トップ選手の報酬水準を示す象徴的な出来事となった。
ただし、この2019年の公表額を2026年の年俸と同一視することはできない。その後の契約金額について、毎年の公式な更新発表があるわけではないためだ。
2026年の最高年俸は確定している?答えは、公式資料だけでは確定できない。
インターネット上では、渡邊雄太選手をはじめとするNBA経験者や日本代表クラスの選手について、数億円規模の年俸を推定する記事が見られる。
しかし、契約総額、契約年数、単年換算額、基本報酬とインセンティブの区別が明らかでなければ、実際の年俸ランキングとして順位を確定することは難しい。
特に複数年契約の場合、契約総額をそのまま1年分の報酬として紹介するのは誤りだ。契約金や出来高が含まれる場合もあり、単純な金額比較では実態を捉えられない。
したがって、富樫選手の2019年の1億円は公表された歴史的事実として扱える一方、2026年の最高年俸や最高額の選手を断定する公式データは存在しない。
Bリーグの平均年俸はいくら?平均年俸については、2025年7月29日に島田慎二チェアマンが、2024-25シーズンのB1・B2平均選手年俸が2016-17シーズンの約3.9倍になったと明らかにしている。
これは共同通信などが報じた情報であり、リーグ発足後の選手待遇の成長を示す重要な指標だ。ただし、報道されたのは倍率であり、2026年の全選手を対象とした確定平均額ではない。
また、B1・B2時代の平均と、2026-27シーズンの新カテゴリーを単純に比較することもできない。所属クラブや契約制度、選手構成が変わるため、比較には対象カテゴリーと集計方法をそろえる必要がある。
平均年俸については、公式に確認できる成長傾向と、推定サイトが掲載する金額を分けて読むことが大切だ。
【外国人・新人】年俸の決まり方とスター選手条項
Bリーグの年俸を考えるうえで、日本人選手と外国籍選手の違い、さらに新人選手に適用される契約条件も見逃せない。
外国人選手の年俸は日本人と別基準なのか外国籍選手の報酬は、クラブとの契約交渉によって決まる。B.PREMIERのサラリーキャップは外国籍選手も含む全選手が対象であり、スター選手条項についても国籍による区別はない。
外国籍選手の市場価値は、出場実績、所属していた海外リーグ、代表歴、ポジション、得点力、守備能力などによって変わる。NBAや欧州のトップリーグでの経験を持つ選手と、将来性を評価されて加入する選手では、契約条件が異なることも考えられる。
ただし、Bリーグが外国籍選手だけの平均年俸や公式ランキングを発表しているわけではない。日本人選手と外国籍選手の平均報酬を比較するための確定統計も公表されていない。
また、外国通貨で設定された契約をサラリーキャップに換算する際には、リーグが定める為替計算ルールが関係する。公式制度では、2シーズン前の7月1日から翌年6月30日までの為替終値の平均を用いる仕組みが定められている。
新人選手の年俸上限はカテゴリーで違う新人選手については、B.ONEとB.NEXTでは原則460万円が報酬上限となる。さらに高卒・大卒による報酬区分がある。
B.PREMIERではドラフト報酬表が適用され、2026-27シーズンの第2回ドラフトからは3巡目以降の選手が一律800万円となる制度改定が発表された。
この制度は、即戦力の獲得競争だけでなく、若手選手の育成と契約の安定性を意識したものだ。ドラフトで指名された選手に対して、クラブが長期的な育成計画を立てやすくする狙いもある。
スター選手条項は年俸1.5億円が上限という意味ではないB.PREMIERのサラリーキャップ制度には、注目度の高い「スター選手条項」がある。
これは、シーズン終了時点でクラブ内最高額の契約となっている選手が1億5,000万円以上の報酬を得ている場合、その選手1人について、サラリーキャップ上は1億5,000万円として計上する特例だ。
重要なのは、選手の実際の報酬を1億5,000万円に制限する制度ではないという点である。
例えば、実際の契約報酬が2億円であっても、条項の条件を満たせば、キャップ計算では1億5,000万円として扱われる。実際の契約金額と制度上の計上額が異なる仕組みだ。
また、対象となるのはクラブ内で最高額の契約となった選手1名。日本人、帰化選手、外国籍選手のいずれも対象になり得る。
スター選手を獲得する競争力を確保しつつ、クラブ全体の戦力を整えやすくするための制度設計といえる。
【非公開の理由】報酬レンジ公開で何が分かる?
2026-27シーズンからの選手契約情報の公開制度では、報酬額そのものと契約条件が別々に扱われる。
この違いには、選手個人のプライバシーとプロスポーツとしての透明性を両立させるという考え方がある。
なぜ選手個人の年俸は非公開なのか2026年1月のメディアブリーフィングについて報じたバスケットボールキングによると、島田チェアマンは個人の給与額をそのまま公開することには高いハードルがあるとの考えを説明した。
報酬は個人の重要なプライバシーに関わる情報であり、家族への影響も考慮される。選手会との協議も行われ、具体的な給与額と契約条件を分けて公開する方針が整理された。
一方、契約期間やオプションについては、プロ選手としての契約状況をファンに伝え、移籍や契約継続をめぐる不透明な憶測を減らす意味がある。
金額をすべて明らかにするのではなく、競技や移籍市場を理解するために必要な情報を公開するという考え方だ。
2026-27シーズンの公開ルールは3カテゴリーで異なるB.LEAGUE公式発表による公開内容は、カテゴリーごとに次のように整理されている。
B.PREMIERでは、各クラブのサラリーキャップ総額を公開するほか、リーグ全選手を対象とした報酬レンジ別の人数を6段階で公表する。
区分は、1億円以上、8,000万円以上、6,000万円以上、4,000万円以上、2,000万円以上、2,000万円未満。これによって、どの報酬水準に選手が集中しているのかを把握できる。
加えて、選手名と契約期間、オプションの有無や種類も公開対象となる。
B.ONEでは、各クラブのサラリーキャップ総額が公開対象となる。一方、B.PREMIERのような6段階の報酬人数や、選手名と結び付いた契約条件の公開は発表内容に含まれていない。
B.NEXTは選手契約情報の公開対象外となる。
初回の公開時期は2026年11月。クラブ別サラリーキャップ総額は11月とシーズン終了後の9月の2回、B.PREMIERの報酬レンジ別人数は11月に公開する予定となっている。
そのため、2026年10月30日時点では、2026-27シーズンの報酬レンジ別人数を使った実績ランキングはまだ確認できない。11月の公表が、制度の透明性を実際に検証する最初の機会になる。
【選手年俸の実態】クラブ人件費との違いと収入の見方
Bリーグの年俸を調べていると、クラブの決算資料に記載された「トップチーム人件費」という数字を目にすることがある。
これは選手個人の年俸を合計した金額と同じではない。監督、コーチ、チームスタッフなどの人件費も含まれるため、選手の給与だけを比較する資料として使うことはできない。
2025-26シーズンのB1人件費は平均約9.99億円B.LEAGUEが2026年10月13日に公開した2025-26シーズンのクラブ決算概要によると、B1の26クラブにおけるトップチーム人件費は合計約259億7,665万円。1クラブ平均では約9億9,910万円となっている。
これはクラブの競技部門に関する人件費の規模を把握するうえで参考になる数字だが、選手だけの年俸総額でも、個人の平均年俸でもない。
加えて、2026-27シーズンから適用されるB.PREMIERのサラリーキャップは、選手の報酬を対象とする別の制度である。
したがって、過去のB1クラブのトップチーム人件費が8億円を超えていたからといって、新制度のサラリーキャップに違反していると判断することはできない。集計対象が異なるためだ。
サラリーキャップに計上されるのは基本報酬だけではないサラリーキャップの計算では、基本報酬以外にもさまざまな費用が関係する。
公式制度では、契約金やサインボーナス、住居、自動車、航空券などの付帯条件も計上対象として整理されている。
また、出場給や勝利給などの変動インセンティブ、賞金分配、グッズロイヤリティ、イベント・メディア出演料についても、制度上の扱いが定められている。
住居については、単身を想定した2DK以下が月額8万円、所帯を想定した2LDK以上が月額10万円を基準に計上する。自動車貸与は1台につき月額4万円、航空券は国内50万円、海外200万円をシーズン単位の基準としている。
このように、クラブが選手に提供する待遇は基本給だけでは評価できない。契約の総合的な価値を把握するには、付帯条件やインセンティブまで見る必要がある。
年俸ランキングを見るときの判断基準ネット上の推定ランキングを読む際には、次の3点を確認したい。
- 対象シーズン:2024-25、2025-26、2026-27のどの契約を示しているか。
- 金額の種類:基本年俸なのか、契約総額なのか、出来高や各種手当を含むのか。
- 情報の出どころ:選手本人やクラブの公式発表、報道機関の取材、第三者の独自推定のどれに当たるのか。
特に注意したいのは、クラブのトップチーム人件費を選手数で割って、個人の平均年俸とする計算だ。
監督やコーチの報酬、チームスタッフの人件費が含まれるうえ、選手によって契約額や出場機会も異なる。均等割りした数字は、実際の選手年俸を示すものではない。
選手の経済的な価値を知りたい場合は、基本報酬だけでなく、契約期間、出場実績、代表歴、チームへの貢献、契約オプションなどを総合的に見ることが重要だ。
【Bリーグ年俸】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:Bリーグで年俸が一番高い選手は誰ですか?
A1:2026年の公式最高年俸ランキングは公表されていない。歴史的に確認できる実績としては、2019年に日本人初の年俸1億円を公表した富樫勇樹選手が挙げられる。
Q2:Bリーグの平均年俸はいくらですか?
A2:2026年の全選手を対象とした公式平均年俸は公表されていない。2025年7月には、2024-25シーズンのB1・B2平均年俸がリーグ初年度の約3.9倍になったと報じられている。
Q3:Bリーグの最低年俸はいくらですか?
A3:2026-27シーズンはB.PREMIERが800万円、B.ONEが360万円、B.NEXTが290万円。いずれも消費税別で、新人選手には別途報酬条件が適用される。
Q4:Bリーグの外国人選手の年俸は日本人より高いですか?
A4:外国籍選手の平均年俸を日本人選手と比較できる公式統計は公表されていない。契約額は実績や市場価値、クラブとの交渉によって異なる。
Q5:スター選手条項によって年俸は1億5,000万円までに制限されますか?
A5:制限されない。クラブ内最高額の契約選手が1億5,000万円以上の場合、該当する1名の報酬をサラリーキャップ上は1億5,000万円として計上する特例である。
Q6:2026-27シーズンの選手年俸はいつ公開されますか?
A6:初回公開は2026年11月の予定。B.PREMIERでは報酬レンジ別人数、各クラブのサラリーキャップ総額などが公表される。クラブ別総額はシーズン終了後の9月にも公表予定となっている。
2026年のBリーグ年俸を理解するうえで、最も重要なのは、選手個人の年俸ランキングとリーグが公式に定める報酬制度を混同しないことだ。
最低年俸はB.PREMIERが800万円、B.ONEが360万円、B.NEXTが290万円。サラリーキャップはB.PREMIERが上限8億円・下限5億円、B.ONEが上限4億円・下限1億5,000万円(本入会)という新しい枠組みになった。
一方、2026年の最高年俸や平均年俸については、個人別の公式統計がないため、確定ランキングとして断定することはできない。富樫勇樹選手の1億円という歴史的な公表実績と、現在の推定ランキングは分けて考える必要がある。
今後の注目点は2026年11月に予定される初回の選手契約情報公開だ。B.PREMIERの報酬レンジ別人数やクラブごとの人件費規模が明らかになれば、これまで推測に頼る部分が多かったBリーグの報酬水準を、より具体的に比較できるようになる。
選手の実力と報酬、クラブの経営力、リーグ全体の競争力。この3つを結び付けて見ることが、2026-27シーズン以降のBリーグを理解するための重要な視点となる。
主な参照資料:B.LEAGUE公式「B.革新に向けた競技レギュレーション詳細決定」「サラリーキャップ制度」「2025-26シーズン クラブ決算概要」、B.LEAGUE公式の富樫勇樹選手インタビュー、共同通信の2025年7月29日付報道、バスケットボールキングの2026年1月14日付報道。