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【2027年度の吹奏楽課題曲】第36回朝日作曲賞は姫野七弦が受賞

九隅 葵 九隅 葵 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

作曲者:姫野七弦(ひめの・ななつる)

第36回朝日作曲賞

2026年6月24日、全日本吹奏楽連盟は2027年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲を発表しました。

その中で、第36回朝日作曲賞の受賞作品に選ばれたのが、姫野七弦の「ウインド・バンド・ネオン」です。

同じ公募で選ばれた作品として、後藤元信の行進曲「パルナッソス」もあります。

2027年度の課題曲は次の4作品です。

作品名 作曲者 選定区分
ウインド・バンド・ネオン 姫野七弦 第36回朝日作曲賞
行進曲「パルナッソス」 後藤元信 入選作品
アルメリア 長生淳 委嘱作品
Ascending the Snowcapped Peaks ロバート・シェルドン 委嘱作品

全日本吹奏楽連盟の公式発表では、課題曲の演奏順は発表時点で未定とされ、楽譜・CD・DVDは2027年2月末に販売予定と案内されています。

第35回と第36回の違いに注意

ここで間違えやすいのが、受賞回数と課題曲の年度です。

- 第35回「夕映えの丘」:2026年度課題曲
- 第36回「ウインド・バンド・ネオン」:2027年度課題曲

第36回の受賞作品が発表されたのは2026年ですが、演奏されるのは翌年度です。

また、2027年度には公募で選ばれた2曲と委嘱作品2曲が採用されています。朝日作曲賞の受賞作品と、連盟から依頼されて制作された作品は、選定経緯が異なるため区別しておきましょう。

【歴代受賞作品】吹奏楽・合唱の朝日作曲賞を一覧比較

朝日作曲賞

朝日作曲賞の歴代作品を調べる際には、吹奏楽と合唱を別々に見る必要があります。

同じ「第35回」「第36回」という回数でも、異なる公募の記録です。

吹奏楽部門の主な受賞作品

2026年までの注目作品を整理します。

- 第35回:森山至貴「夕映えの丘」
- 第36回:姫野七弦「ウインド・バンド・ネオン」

特に「夕映えの丘」は、作曲者自身の吹奏楽部での経験を反映した作品として興味深い存在です。

一方、「ウインド・バンド・ネオン」は2027年度課題曲として採用され、次の世代の吹奏楽コンクールを担う作品となります。

合唱部門の歴代受賞作品

合唱部門は、全日本合唱連盟の公式記録で年度別の受賞者と作品を確認できます。

回数・年度 作曲者 受賞作品
第35回・2024年度 平木悟 世界恋愛詩集
第36回・2025年度 福丸光詩 一滴の静寂のために
第37回・2026年度 稲室来実 掌の花

第36回の「一滴の静寂のために」は、石原吉郎の詩による混声合唱組曲です。

組曲は「河」「海をわたる」「海嘯」「一滴の静寂のために」の4曲で構成されています。

そのうち「河」は2026年度全日本合唱コンクールの課題曲に選ばれました。

このように、合唱部門では受賞作品の中から翌年度のコンクール課題曲が選定される仕組みがあります。

2つの朝日作曲賞の関係を整理
比較項目 吹奏楽部門 合唱部門
主催 全日本吹奏楽連盟・朝日新聞社 全日本合唱連盟・朝日新聞社
対象 吹奏楽作品 合唱組曲
2026年度の注目作品 夕映えの丘 掌の花
作曲者 森山至貴 稲室来実
受賞回 第35回 第37回
主な採用先 全日本吹奏楽コンクール 全日本合唱コンクール
賞金 100万円 100万円
次の動向 2028年度は公募休止 第38回は女声・男声限定の予定

この比較で重要なのは、吹奏楽部門と合唱部門では回数が独立して進んでいることです。

例えば、吹奏楽の第36回と合唱の第36回は、同じ作品選考ではありません。受賞者も審査日程も応募条件も異なります。

また、森山至貴のように両部門で受賞する作曲家もいます。ジャンルを越えた作曲活動が可能である一方、応募する際は必ず対象部門の募集要項を確認する必要があります。

【応募資格・応募料】朝日作曲賞に応募するには?

作曲家や音楽大学の学生、合唱・吹奏楽関係者にとって気になるのが応募資格と費用です。

両部門は同じ名称でも、応募資格や提出作品の条件に違いがあります。

吹奏楽部門の応募資格と費用

第36回朝日作曲賞の募集要項では、応募資格について「特に問わない」とされています。

つまり、年齢や職業などによる一律の制限は設けられていません。

主な応募条件は以下のとおりです。

項目 第36回の募集条件
応募資格 特に問わない
対象作品 未発表・未出版のオリジナル吹奏楽曲
演奏時間 約3~4分
応募点数 1人1作品
応募料 10,000円(税込)
朝日作曲賞 100万円
入選 30万円

審査は3段階で実施されます。

1. 第1次審査:フルスコアとコンデンススコアによる審査。
2. 第2次審査:スコアと音源による審査。
3. 第3次審査:試奏による審査。

第36回の応募受付期間は、2026年1月14日から1月16日まででした。

応募作品は、アマチュアの吹奏楽団体が演奏することを基本に考えられており、楽器の特性や音域、合奏の成立性なども考慮されます。

合唱部門の応募資格と費用

合唱部門では、第37回の募集要項に具体的な応募資格が記載されています。

項目 第37回の募集条件
応募資格 日本国籍を有する者、または日本在住者
年齢制限 なし
対象作品 未発表・未出版のオリジナル合唱組曲
編成 混声・女声・男声
伴奏 無伴奏またはピアノ伴奏
全体演奏時間 15分以内
応募料 3,000円
朝日作曲賞 100万円
佳作 10万円

注意したいのは、単曲ではなく組曲形式で応募する必要がある点です。

また、全体の演奏時間は15分以内で、その中に全日本合唱コンクールの課題曲としてふさわしい3~4分程度の作品を少なくとも1曲含めなければなりません。

著作権のある詩を使用する場合には、著作権者の了解も必要です。

加えて、1999年度以降の朝日作曲賞受賞者は再応募できません。ただし、佳作受賞者はこの受賞者制限の対象外です。

第37回の応募受付は2026年2月2日から10日までで、当日消印有効でした。

応募する人が注意したいポイント

応募料だけを見ると、吹奏楽部門は10,000円、合唱部門は3,000円です。

しかし、単純に費用の安さだけで応募先を決めることはできません。

吹奏楽では編成、各楽器の音域、演奏技術、合奏の成立性が重要になります。

合唱では詩の選択、組曲全体の構成、声部の書法、歌詞の著作権なども検討する必要があります。

特に合唱部門は、組曲の中にコンクール課題曲として適した作品を含めるという条件があります。

したがって、応募を考える場合は、単に優れた音楽作品を完成させるだけでなく、募集要項が求める実用性や形式に合致しているかを確認することが大切です。

【2028年度の最新動向】吹奏楽は公募なし、合唱は募集編成を変更

2026年の朝日作曲賞をめぐる大きなニュースが、2028年度の吹奏楽課題曲公募の休止です。

一方、合唱部門では次回の募集編成に変更が予定されています。

この2つは、それぞれ異なる背景を持つ動きです。

吹奏楽は2028年度の朝日作曲賞を公募しない

全日本吹奏楽連盟の公式「課題曲」ページでは、2028年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲について、次の方針が明らかにされています。

2028年度は全4曲を委嘱作品とし、朝日作曲賞の公募を行わないというものです。

背景には、全日本吹奏楽連盟の創立90周年があります。

連盟の会報「すいそうがく」でも、90周年となる2028年度の課題曲を4曲委嘱とする案が報告されています。

したがって、2028年度は通常の公募方式とは異なり、作曲家に依頼して制作する委嘱作品によって課題曲を構成する計画です。

ここで注意したいのは、公募休止は2028年度の課題曲に関する方針であり、吹奏楽部門の朝日作曲賞そのものが永久に廃止されたという意味ではないことです。

90周年という節目に合わせた特別な課題曲制作と理解するのが適切です。

合唱部門の第38回は女声・男声合唱に限定

一方、合唱部門の次回募集には別の変更があります。

全日本合唱連盟は、2027年度の第38回朝日作曲賞について、女声合唱組曲と男声合唱組曲に限定して募集する予定と公表しています。

第37回までは混声・女声・男声の3編成が対象でしたが、次回は混声合唱組曲が募集対象から外れる予定です。

これは応募を考える作曲家にとって大きな変更です。

特に、混声合唱作品の制作を進めている人は、次回募集にそのまま応募できると考えないほうがよいでしょう。

なお、2026年10月30日時点で公表されているのは編成を限定する予定です。第38回の正式な受付期間や応募料など、詳細な募集要項は別途確認する必要があります。

2026~2028年度の動きを時系列で整理

- 2026年度:吹奏楽は「夕映えの丘」、合唱は「掌の花」が注目作品。
- 2027年度:吹奏楽は「ウインド・バンド・ネオン」など4曲を採用。合唱は第38回で女声・男声限定の募集予定。
- 2028年度:吹奏楽は全4曲を委嘱作品とし、朝日作曲賞の公募を実施しない。

両部門とも、従来の募集形式がそのまま続くわけではありません。応募を考えている作曲家は、年度ごとの制度変更を確認する必要があります。

【プロの結論】朝日作曲賞の本当の価値は受賞後の作品の広がりにある

朝日作曲賞の価値は、賞金100万円という数字だけでは測れません。

吹奏楽と合唱の両部門に共通しているのは、受賞作品が全国規模のコンクールで演奏される機会を得ることです。

受賞作品は演奏者と聴衆に届く

一般的な作曲コンクールでは、受賞によって作曲家の実績が評価されても、作品が継続的に演奏されるとは限りません。

一方、朝日作曲賞は全日本吹奏楽コンクールや全日本合唱コンクールの課題曲と結び付いています。

そのため、作品が実際の演奏現場に届き、学校や一般団体など幅広い演奏者に触れられる可能性があります。

「夕映えの丘」ではチューバ奏者への配慮が作品の背景にあり、「掌の花」では組曲の一曲が翌年度の合唱コンクール課題曲に選ばれました。

どちらも、作品の完成だけでなく、その後に演奏されることまで意識した制度の特徴が表れています。

どんな作曲家に向いているのか

吹奏楽部門に向いている人

- 吹奏楽の編成や各楽器の特性を理解している人。
- アマチュア団体でも演奏できる作品を書ける人。
- コンクールで演奏されることを想定した作品制作に関心がある人。
- スコアだけでなく、実際の音響や合奏の成立性を考えられる人。

合唱部門に向いている人

- 詩と音楽の関係を深く考えたい人。
- 混声・女声・男声の合唱作品を作曲できる人。
- 組曲として統一感のある作品を構成できる人。
- 全日本合唱コンクールの課題曲として演奏される作品を目指す人。

ただし、2027年度の合唱部門は女声・男声に限定される予定です。応募を考える場合は、次回の正式な募集要項に合わせた作品設計が必要になります。

朝日作曲賞についてよくある誤解

特に間違えやすいのは、次の3点です。

1. 同じ回数なら同じ賞という誤解

第35回や第36回という番号が同じでも、吹奏楽と合唱は独立した公募です。

2. 2026年の65曲は吹奏楽の応募数という誤解

65曲は第37回の合唱部門の応募総数です。吹奏楽部門の応募数とは区別してください。

3. 2028年度の公募なしは賞の廃止という誤解

2028年度の吹奏楽課題曲を4曲とも委嘱作品とするための措置です。賞そのものの永久廃止を意味しません。

【朝日作曲賞に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:朝日作曲賞は吹奏楽と合唱のどちらの賞ですか?

A1:両方に存在します。吹奏楽部門は全日本吹奏楽連盟と朝日新聞社、合唱部門は全日本合唱連盟と朝日新聞社が関係する別々の公募賞です。

Q2:2026年の吹奏楽部門の受賞作品は何ですか?

A2:第35回朝日作曲賞の受賞作品「夕映えの丘」です。作曲者は森山至貴で、2026年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅰに採用されました。

Q3:2026年の合唱部門の受賞者は誰ですか?

A3:稲室来実です。第37回朝日作曲賞で「掌の花」が受賞しました。作品は野口米次郎の詩による混声合唱とピアノのための組曲です。

Q4:朝日作曲賞の賞金はいくらですか?

A4:吹奏楽・合唱ともに朝日作曲賞の賞金は100万円です。吹奏楽の第36回募集では入選が30万円、合唱の第37回募集では佳作が10万円でした。

Q5:合唱部門の応募数65曲は何の数字ですか?

A5:2026年度の第37回朝日作曲賞の応募総数です。内訳は混声50曲、女声11曲、男声4曲でした。

Q6:2028年度の吹奏楽課題曲は朝日作曲賞で選ばれないのですか?

A6:全日本吹奏楽連盟は2028年度の課題曲4曲をすべて委嘱作品とする方針を発表しています。そのため、2028年度分の朝日作曲賞の公募は行われません。

Q7:次回の合唱部門は混声合唱でも応募できますか?

A7:2027年度の第38回は女声合唱組曲と男声合唱組曲に限定して募集する予定です。混声合唱組曲は対象外となる見込みです。正式な募集要項で最終条件を確認してください。

Q8:朝日作曲賞は学生でも応募できますか?

A8:合唱部門の第37回募集では年齢制限がなく、日本国籍を有する者または日本在住者であれば応募できました。吹奏楽部門の第36回募集も応募資格を特に限定していません。ただし、次回の募集条件はそれぞれの公式発表を確認する必要があります。

2026年の朝日作曲賞では、吹奏楽部門の「夕映えの丘」と、合唱部門の「掌の花」という異なるジャンルの作品が注目を集めました。

吹奏楽では森山至貴が第35回、姫野七弦が第36回を受賞し、2026年度・2027年度の課題曲へと作品がつながっています。2028年度は全日本吹奏楽連盟の創立90周年に合わせ、4曲すべてが委嘱作品となる予定です。

合唱では稲室来実の「掌の花」が第37回を受賞し、応募総数65曲、賞金100万円という結果が公表されました。次の第38回は女声・男声合唱に限定した募集が予定されています。

朝日作曲賞を調べる際に最も大切なのは、吹奏楽と合唱を混同せず、年度・回数・応募条件を分けて確認することです。受賞者や作品の名前だけでなく、翌年度の課題曲への採用や募集制度の変更まで追うことで、この賞が日本の吹奏楽・合唱文化に果たす役割がより明確になります。

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九隅 葵
トレンドリサーチャー 九隅 葵
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