パラグアイ代表が2026年大会への出場権を獲得したのは、2025年9月4日。アスンシオンのエスタディオ・デフェンソーレス・デル・チャコで行われたエクアドル戦を0対0で引き分け、南米予選の上位6か国に与えられる自動出場枠を確保した。
最後の出場は2010年南アフリカ大会。2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会と3大会連続で本大会を逃しており、今回の復帰には長い空白期間を乗り越えた意味がある。
FIFAの大会紹介によると、2026年大会の南米予選では6か国が直接出場し、7位のチームが大陸間プレーオフに回る方式だった。パラグアイは6位に入り、プレーオフを経ずに本大会出場を決めている。
特筆すべきは、予選中にブラジルを1対0、アルゼンチンを2対1で破ったことだ。強豪相手にも勝ち切る力を示したことが、16年ぶりの復帰につながった。
グスタボ・アルファロ監督が立て直した代表チームアルゼンチン出身・パラグアイ代表監督
予選突破と2026年大会でチームを率いた指揮官。守備の組織力を整え、強豪国に対しても粘り強く戦うチームを構築した。
アルファロ監督の仕事を評価するうえで重要なのは、単純な勝敗だけではない。
パラグアイは伝統的に守備の粘り強さを持ち味としてきた。アルファロ監督はその特性を生かしながら、選手間の距離や守備の連動性を重視するチームづくりを進めた。
予選ではブラジルやアルゼンチンを破り、本大会でもトルコやドイツを相手に守備力を発揮した。大会を通じて、格上との試合で簡単には崩れないチームになっていたことが分かる。
【グループD全3試合】アメリカ・トルコ・オーストラリアとの対戦結果

パラグアイ代表が入ったグループDは、開催国アメリカ、欧州のトルコ、アジアのオーストラリアという異なる特徴を持つ3チームとの対戦だった。
結果を振り返ると、初戦の大敗から立て直し、2戦目で勝利、最終戦で引き分けという流れだった。
第1戦:アメリカに1対4で敗れる- 対戦:アメリカ対パラグアイ
- 結果:アメリカ 4-1 パラグアイ
- 会場:ロサンゼルス・スタジアム
- パラグアイの得点者:マウリシオ
開幕戦は開催国アメリカの攻撃力に押し込まれた。
試合序盤の7分、パラグアイのダミアン・ボバディージャのオウンゴールでアメリカが先制。さらにフォラリン・バログンが31分と前半アディショナルタイムに得点し、前半だけで0対3となった。
後半73分にはマウリシオが1点を返したものの、試合終了間際にジョバンニ・レイナが追加点を決め、最終スコアは1対4。
パラグアイにとっては厳しいスタートとなったが、マウリシオが得点を記録したことは、次戦につながる材料だった。
この試合では、アメリカのホームアドバンテージと攻撃の勢いに対応し切れなかったことが大きな課題として残った。
第2戦:トルコに1対0で勝利- 対戦:トルコ対パラグアイ
- 結果:トルコ 0-1 パラグアイ
- 会場:サンフランシスコ・ベイエリア・スタジアム
- 得点者:マティアス・ガラルサ
初戦の敗北から立て直したパラグアイは、トルコ戦で大会初勝利を挙げた。
決勝点を記録したのはマティアス・ガラルサ。試合開始からわずか64秒でゴールを決め、今大会最速級の得点として注目を集めた。
しかし、試合は決して簡単ではなかった。
前半終了間際にはミゲル・アルミロンが退場となり、パラグアイは数的不利に陥った。後半はトルコに30本を超えるシュートを許す展開となったが、GKオルランド・ヒルを中心に守備陣が踏ん張った。
1点を守り切った勝利は、アルファロ監督が構築した守備組織の強さを象徴する試合だった。
FIFAの試合総括でも、ガラルサの開始64秒の得点と、アルミロン退場後の粘り強い守備が取り上げられている。
第3戦:オーストラリアと0対0で引き分け- 対戦:パラグアイ対オーストラリア
- 結果:パラグアイ 0-0 オーストラリア
- 会場:サンフランシスコ・ベイエリア・スタジアム
- 得点者:なし
グループステージ最終戦は、両チームともに慎重さが求められる重要な一戦だった。
オーストラリアは序盤から右サイドを中心に攻撃を仕掛け、ジャクソン・アーバインらがゴールを狙った。
一方のパラグアイは守備をコンパクトに保ち、相手の攻撃を受け止める展開となった。
試合は最後まで得点が生まれず、0対0で終了。
オーストラリアは勝ち点4でグループ2位となり、パラグアイも勝ち点4で3位を確保した。引き分けによって両チームの明暗が分かれる可能性もあったが、パラグアイは最終的に3位チームの上位8か国に入り、次のステージへの切符をつかんだ。
【グループD最終順位】勝ち点4で3位、決勝トーナメント進出
3試合を終えたグループDの最終順位は次のとおり。
| 順位 | チーム | 勝 | 分 | 敗 | 勝ち点 | 得失点差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | アメリカ | 2 | 0 | 1 | 6 | +4 |
| 2位 | オーストラリア | 1 | 1 | 1 | 4 | 0 |
| 3位 | パラグアイ | 1 | 1 | 1 | 4 | -2 |
| 4位 | トルコ | 1 | 0 | 2 | 3 | -2 |
パラグアイはオーストラリアと勝ち点で並んだが、得失点差の関係で3位となった。
2026年大会は48か国参加の新フォーマットで、各グループの上位2チームに加え、3位チームのうち成績上位8チームもラウンド32へ進出できる。
この制度がパラグアイにとって重要だった。
グループ3位という結果だけを見ると、決勝トーナメント進出は不確実に感じられる。しかし、全12グループの3位チームを比較する仕組みがあるため、グループ内で3位でも大会を続けられる可能性がある。
パラグアイはその条件を満たし、決勝トーナメントへの進出を決めた。
2026年大会の主要な出来事と関係者| 対象・関係者 | 大会・時期 | 結果・実績 | 意味 |
|---|---|---|---|
| パラグアイ代表 | 南米予選 | 6位で突破 | 16年ぶりの出場 |
| グスタボ・アルファロ | 2025~2026年 | 代表監督 | チーム再建を主導 |
| マウリシオ | 6月12日 | アメリカ戦で得点 | 初戦で唯一の得点 |
| マティアス・ガラルサ | 6月19日 | トルコ戦で決勝点 | 大会最速級の得点 |
| オルランド・ヒル | 6月19日 | トルコの攻撃を完封 | 数的不利での守備を支える |
| パラグアイ代表 | グループD | 3位・勝ち点4 | 決勝トーナメント進出 |
| フリオ・エンシソ | 6月29日 | ドイツ戦で得点 | W杯決勝トーナメント初得点 |
| パラグアイ代表 | 6月29日 | ドイツにPK戦で勝利 | ラウンド16進出 |
| パラグアイ代表 | 7月4日 | フランスに0対1で敗戦 | ベスト16で大会終了 |
| パラグアイ代表 | 2010年 | 南アフリカ大会ベスト8 | 歴代最高成績 |
この関係を整理すると、2026年大会は監督の戦術、守備陣の粘り、若手選手の得点力が組み合わさって生まれた成果だったことが分かる。
【決勝トーナメント】ドイツ撃破の快挙とフランス戦の惜敗
グループDを3位で通過したパラグアイは、ラウンド32でドイツと対戦した。
ラウンド32:ドイツにPK戦で勝利2026年6月29日
- 結果:ドイツ 1-1 パラグアイ
- PK戦:ドイツ 3-4 パラグアイ
- パラグアイの得点者:フリオ・エンシソ
対戦相手は、ワールドカップ優勝4回を誇るドイツ。
試合は42分、フリオ・エンシソが先制ゴールを決め、パラグアイがリードを奪った。
しかし54分にカイ・ハフェルツが同点ゴールを決め、試合は延長戦に突入。120分を戦っても決着はつかなかった。
勝負はPK戦に持ち込まれ、パラグアイが4対3で勝利した。
GKオルランド・ヒルがドイツのキッカーを止め、最後はホセ・カナレが勝利を決定づけるキックを成功させた。
この勝利はパラグアイにとって歴史的なものだった。FIFAの試合レポートによれば、エンシソのゴールは同国にとってワールドカップ決勝トーナメントでの初得点でもあった。
16年ぶりの出場でドイツを破ったことは、今大会の大きなサプライズの一つとなった。
ラウンド16:フランスに0対1で敗退2026年7月4日
- 結果:パラグアイ 0-1 フランス
- 得点者:キリアン・エムバペ(PK)
ドイツを破ったパラグアイの次の相手は、フランスだった。
フランスは個人能力の高い選手をそろえ、試合の主導権を握ろうとした。一方のパラグアイは守備を固め、少ないチャンスから反撃を狙った。
均衡を破ったのは69分。キリアン・エムバペがPKを成功させ、フランスが先制した。
パラグアイは最後まで反撃を試みたが、同点ゴールを奪えず、0対1で敗れた。
この結果、パラグアイの2026年大会はラウンド16で終了。最終的な大会順位は16位となった。
ドイツ戦の勝利によって大きな注目を集めたものの、フランスとの実力差を感じさせる試合でもあった。
【パラグアイ代表2026年メンバー】注目選手と26人の顔ぶれ
2026年6月1日、パラグアイサッカー協会はグスタボ・アルファロ監督が選んだワールドカップ登録メンバー26人を発表した。
FIFAの選手紹介やパラグアイサッカー協会の発表では、国内外のクラブでプレーする選手がそろい、経験豊富な主力と若手の融合が特徴となっていた。
ポジション別の登録メンバー| ポジション | 選手 |
|---|---|
| GK・3人 | ロベルト・フェルナンデス、オルランド・ヒル、ガストン・オルベイラ |
| DF・8人 | グスタボ・ベラスケス、フアン・ホセ・カセレス、グスタボ・ゴメス、オマル・アルデレーテ、ファビアン・バルブエナ、ホセ・カナレ、フニオール・アロンソ、アレクサンドロ・マイダナ |
| MF・8人 | ディエゴ・ゴメス、マウリシオ・マガリャンイス、ダミアン・ボバディージャ、ブライアン・オヘダ、アンドレス・クバス、マティアス・ガラルサ、アレハンドロ・ロメロ・ガマラ |
| FW・7人 | グスタボ・カバジェロ、ラモン・ソサ、アレックス・アルセ、イスイドロ・ピッタ、ガブリエル・アバロス、ミゲル・アルミロン、フリオ・エンシソ、アントニオ・サナブリア |
※上記のFW欄は8人に見えるため、公式登録の内訳ではMFとFWの区分を確認する必要がある。FIFAの26人登録リストでは、GK3人、DF7人、MF8人、FW8人という区分で掲載されている。選手の名前は同リストに基づく。
注目選手1:フリオ・エンシソ攻撃の中心を担う若手選手。ドイツ戦では先制点を決め、パラグアイの決勝トーナメント初得点者として歴史に名を残した。
エンシソの魅力は、狭いスペースでも局面を変えられる技術と攻撃への積極性だ。
FIFAも2026年大会前の選手紹介で、彼を代表の中心的な攻撃選手として取り上げていた。
注目選手2:ミゲル・アルミロン経験豊富な攻撃的選手。前線での推進力と試合経験が代表にとって重要な存在となった。
トルコ戦では退場処分を受けたが、チームの中心的な選手として大会に臨んだ。
注目選手3:グスタボ・ゴメス守備陣のリーダー。パルメイラスでプレーするセンターバックで、代表でも主将を務めた。
守備の安定性がチームの強みだっただけに、ゴメスの存在は欠かせなかった。
注目選手4:マティアス・ガラルサトルコ戦で開始64秒の決勝ゴールを決めたMF。攻守の切り替えと得点への関与で存在感を示した。
この4人を中心に見ると、パラグアイ代表の強みが分かりやすい。前線には個人で突破できる選手がいて、中盤には得点に絡める選手がいる。そして後方には経験豊富なリーダーがいる。
【歴代ワールドカップ成績】2010年南アフリカ大会ベスト8との違い
パラグアイ代表の歴史を語るうえで、2010年南アフリカ大会は特別な意味を持つ。
当時のパラグアイは、堅守を軸としたチームで決勝トーナメントを勝ち上がり、同国史上初のベスト8進出を達成した。
準々決勝ではスペインと対戦。接戦となったものの、最終的には0対1で敗れた。
このベスト8が、2026年大会終了時点でもパラグアイ代表のワールドカップ最高成績となっている。
パラグアイ代表の歴代出場大会| 開催年 | 開催国 | 主な成績 |
|---|---|---|
| 1930年 | ウルグアイ | グループステージ |
| 1950年 | ブラジル | グループステージ |
| 1958年 | スウェーデン | グループステージ |
| 1986年 | メキシコ | 決勝トーナメント |
| 1998年 | フランス | 決勝トーナメント |
| 2002年 | 韓国・日本 | 決勝トーナメント |
| 2006年 | ドイツ | グループステージ |
| 2010年 | 南アフリカ | ベスト8 |
| 2026年 | カナダ・メキシコ・アメリカ | ラウンド16 |
FIFAの公式プロフィールによると、2026年大会終了時点のパラグアイのワールドカップ出場回数は通算9回。通算成績は27試合7勝10分け10敗、得点30、失点38となっている。
2010年と2026年を比較すると何が違う?両大会の最大の違いは、到達したステージだ。
2010年は準々決勝まで進み、世界のベスト8に入った。一方、2026年はラウンド16で敗退し、最終順位は16位だった。
ただし、2026年大会の価値が低いわけではない。
2010年大会以降、3大会連続で本大会出場を逃していた代表が、再び世界の舞台に戻り、ドイツという強豪を倒したことは大きな前進である。
また、2026年大会は48チーム制となり、従来の32チーム制とは決勝トーナメントの構造が異なる。ラウンド32が新設されたことで、グループを突破した後にも1試合多く勝ち上がる必要が生じた。
したがって、2010年のベスト8と2026年のベスト16を比較する際は、単純な順位だけでなく、大会方式の違いも考慮する必要がある。
【プロの結論】2026年大会で見えたパラグアイ代表の強みと課題
今回の大会で明らかになったパラグアイの特徴は、守備の組織力と接戦での勝負強さだ。
強み1:守備の粘り強さトルコ戦では数的不利になりながらも無失点で勝利。ドイツ戦でも相手の攻撃を抑え、PK戦に持ち込んだ。
こうした試合展開は、守備の連動性やGKの能力が高いことを示している。
強み2:強豪相手にも勝てる精神力南米予選でブラジルとアルゼンチンを破り、本大会ではドイツをPK戦で撃破した。
相手の名前だけで萎縮せず、勝機を見いだせることは代表の大きな財産だ。
課題1:攻撃の継続性一方で、アメリカ戦では4失点。オーストラリア戦でも得点を奪えなかった。
守備が安定していても、攻撃で得点を生み出せなければ、勝ち進むことは難しい。
特にフランスのような強豪に対しては、守るだけでなく、ボールを保持して相手の守備を動かす力が必要になる。
課題2:主力選手への依存エンシソやアルミロンのような攻撃の中心選手が機能しない場合、得点の選択肢が限られる可能性がある。
2026年大会ではガラルサやマウリシオなども得点を記録したが、今後は複数の選手が継続的にゴールを奪える体制が求められる。
今後の展望パラグアイが2010年のベスト8を超えるためには、守備力を維持しながら攻撃の幅を広げることが重要になる。
特に若手のエンシソやディエゴ・ゴメスらが国際舞台で経験を積み、ベテランとの連携を深められるかが鍵となる。
2026年大会は、単なる16年ぶりの復帰ではなく、パラグアイ代表が再び世界の上位を目指すための足掛かりとなった。
【パラグアイワールドカップ2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:パラグアイは2026年ワールドカップに何位で出場しましたか?
パラグアイは南米予選6位で出場権を獲得しました。2025年9月4日のエクアドル戦で0対0と引き分け、本大会出場を決めています。
Q2:パラグアイはグループDで何位でしたか?
1勝1分け1敗、勝ち点4で3位でした。3位チームの上位8か国に入ったため、決勝トーナメントに進出しています。
Q3:パラグアイ対アメリカの結果は?
2026年6月12日の試合で、アメリカが4対1で勝利しました。パラグアイはマウリシオが1点を返しました。
Q4:パラグアイ対トルコの結果は?
パラグアイが1対0で勝利しました。マティアス・ガラルサが開始64秒で決勝ゴールを記録しています。
Q5:パラグアイ対オーストラリアの結果は?
0対0の引き分けでした。パラグアイは勝ち点4でグループDの3位となりました。
Q6:パラグアイは決勝トーナメントでどこまで進みましたか?
ラウンド32でドイツと1対1で引き分け、PK戦を4対3で制しました。その後、ラウンド16でフランスに0対1で敗れ、ベスト16で大会を終えています。
Q7:パラグアイ代表のワールドカップ最高成績は?
2010年南アフリカ大会のベスト8です。2026年大会のベスト16は、歴代最高成績には届かなかったものの、16年ぶりの出場で世界16強まで進んだ成果です。
2026年のパラグアイワールドカップは、長い空白を乗り越えた代表チームにとって、大きな意味を持つ大会となった。
南米予選6位で出場権を獲得し、グループDでは勝ち点4の3位。アメリカには1対4で敗れたものの、トルコに1対0で勝利し、オーストラリアとは0対0で引き分けた。
決勝トーナメントではドイツをPK戦で破る快挙を達成。フランスには0対1で敗れたが、最終順位16位という結果を残した。
2010年南アフリカ大会のベスト8には届かなかったものの、守備の組織力、選手の結束、若手の成長という収穫は大きい。今後のパラグアイ代表を評価する際には、単に勝敗だけを見るのではなく、強豪国との戦い方や攻撃面の進化にも注目したい。
16年ぶりに世界の舞台へ帰ってきたパラグアイ。2026年大会で示したドイツ撃破の勝負強さを、次の国際大会でも発揮できるかが期待される。