2019年にTBS系で放送されたドラマ『わたし、定時で帰ります。』は、吉高由里子が主演を務め、残業ゼロを貫く会社員・東山結衣の姿を通して、仕事と人生のバランスを問いかけた話題作だ。向井理、中丸雄一、内田有紀、ユースケ・サンタマリアら実力派キャストが集結し、職場の人間関係や長時間労働、サービス残業、パワハラなど、働く人が直面する問題を描いた。
2026年10月現在、放送から7年が経過した本作は、原作小説の続編も刊行され、動画配信サービスでも視聴できる作品となっている。なぜ東山結衣は何があっても定時で帰ろうとするのか。元婚約者・種田晃太郎との関係はどう決着したのか。全10話のあらすじ、最終回の結末、キャストの相関関係、原作シリーズ、現在の再放送・配信状況まで整理する。
【作品概要】『わたし、定時で帰ります。』はどんなドラマ?2019年の放送情報と基本設定

『わたし、定時で帰ります。』は、TBS系の火曜ドラマ枠で放送されたお仕事・ヒューマンドラマだ。
主演の吉高由里子が演じるのは、WEB制作会社「ネットヒーローズ」に勤務するWEBディレクター・東山結衣。仕事は効率よく進め、定時になれば周囲の顔色をうかがわずに退社するという、自分なりの働き方を確立した女性である。
物語の舞台となるのは、さまざまな価値観を持つ社員が集まる制作4部。新任部長の福永清次が持ち込む無理な案件や、同僚たちの抱える問題に直面しながら、結衣は仕事とプライベートの両立を目指していく。
作品の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | わたし、定時で帰ります。 |
| 放送局 | TBS系 |
| 放送開始 | 2019年4月16日 |
| 最終回 | 2019年6月25日 |
| 話数 | 全10話 |
| 主演 | 吉高由里子 |
| 原作 | 朱野帰子 |
| 脚本 | 奥寺佐渡子、清水友佳子 |
| 演出 | 金子文紀、竹村謙太郎、福田亮介、坂上卓哉 |
| 主題歌 | Superfly「Ambitious」 |
| 制作 | TBSスパークル、TBS |
TBSの番組情報では、全10話の作品として紹介されている。最終話の放送日は2019年6月25日で、制作はTBSスパークルとTBSが担当した。
原作は朱野帰子の小説シリーズ原作を手がけたのは、作家の朱野帰子(あけの・かえるこ)。
原作小説は2018年に刊行され、2019年1月29日には新潮文庫版が発売された。文庫版は368ページで、電子書籍版も展開されている。
原作の特徴は、単に仕事を頑張る主人公を描くのではなく、働くことに対する複数の価値観をぶつけている点にある。
シリーズは第1作だけで終わらず、次の作品へと広がった。
- 『わたし、定時で帰ります。』
- 『わたし、定時で帰ります。ハイパー』
- 『わたし、定時で帰ります。2―打倒!パワハラ企業編―』
- 『わたし、定時で帰ります。―ライジング―』
- 『わたし、定時で帰ります。3―仁義なき賃上げ闘争編―』
特に2023年11月29日発売の第3作では、賃上げや人事評価制度など、労働環境をめぐる新たな課題が取り上げられている。ドラマをきっかけに作品を知った読者にとっても、原作シリーズは長く楽しめる内容だ。
【最大の疑問】東山結衣が絶対に定時で帰る理由と過去の真相
本作で視聴者が最も気になるポイントの一つが、東山結衣がなぜそこまで定時退社にこだわるのかという問題だ。
一見すると、仕事より自分の時間を優先するマイペースな女性に見える。しかし、その考え方には過去のつらい経験が深く関係している。
理由1:仕事に人生を捧げる父親を見て育ったTBS公式のキャラクター紹介によると、結衣の父親は仕事中毒で、家に帰らない生活を送っていた人物だ。
幼いころから仕事中心の父親を見てきた結衣にとって、仕事に人生を捧げる生き方は決して理想ではなかった。
仕事を頑張ること自体を否定しているわけではない。仕事によって家庭や自分の人生が犠牲になることに、強い抵抗感を抱いているのである。
この価値観は、後に彼女が同僚たちの働き方に向き合う際にも表れてくる。
理由2:前職での過重労働と倒れるほどの経験結衣の定時退社へのこだわりには、自身の職場経験も関係している。
ドラマの背景では、前職で過酷な労働環境に置かれ、残業を重ねた末に倒れるという経験が描かれる。
その経験を経て、結衣は仕事のために自分の健康や命を犠牲にする生き方を選ばないと決めた。
つまり、定時で帰るという行動は、単なる生活習慣ではない。
自分の人生を仕事だけに支配させないための、結衣自身の決意なのである。
理由3:元婚約者・種田晃太郎の働き方への反発もう一つ重要なのが、元婚約者の種田晃太郎(向井理)の存在だ。
晃太郎は非常に仕事ができる人物だが、一度仕事にのめり込むと周囲が見えなくなるワーカホリックな性格でもある。
結衣と晃太郎はかつて婚約していた。しかし、仕事を優先する晃太郎との関係はうまくいかず、二人は別れることになった。
その後、結衣が転職した会社で、晃太郎は再び仕事仲間として現れる。
過去の恋愛と仕事上の関係が交錯することで、結衣は自分の価値観を改めて問われることになる。
定時退社後の楽しみは上海飯店のビールと小籠包結衣の定時退社を象徴する場所が、行きつけの中華料理店「上海飯店」だ。
彼女は仕事が終わると店に立ち寄り、ハッピーアワーのビールや小籠包を楽しむ。
店主の王丹(江口のりこ)や常連客との会話も、仕事から離れて自分らしさを取り戻す大切な時間となっている。
ここで注目したいのは、結衣が仕事そのものを嫌っているわけではないことだ。
彼女は仕事中には集中し、必要な成果を出そうと努力する。仕事が終われば、自分の生活を楽しむ。その切り替えを徹底しているのである。
【キャスト・相関図】吉高由里子、向井理、中丸雄一ら主要人物の関係
本作の魅力は、主人公だけでなく、職場の同僚それぞれが異なる仕事観を持っている点にもある。
主要キャストと役柄の関係を整理すると、物語の構造が分かりやすい。
| 登場人物 | 俳優 | 役柄・関係性 |
|---|---|---|
| 東山結衣 | 吉高由里子 | 主人公。定時退社を貫くWEBディレクター |
| 種田晃太郎 | 向井理 | 結衣の元婚約者で仕事仲間。仕事中毒の一面を持つ |
| 諏訪巧 | 中丸雄一 | 結衣の恋人・婚約者。プライベートを大切にする |
| 福永清次 | ユースケ・サンタマリア | 制作4部の新任部長。無理な仕事を持ち込む上司 |
| 賤ヶ岳八重 | 内田有紀 | 結衣の先輩。育児と仕事の両立に奮闘する |
| 吾妻徹 | 柄本時生 | 同僚。仕事の効率が悪く会社に居残りがち |
| 来栖泰斗 | 泉澤祐希 | 結衣が教育を担当する新人社員 |
| 三谷佳菜子 | シシド・カフカ | 仕事熱心で皆勤賞にこだわる同僚 |
| 種田柊 | 桜田通 | 晃太郎の弟 |
| 王丹 | 江口のりこ | 上海飯店の店主 |
| 戸塚学 | 梶原善 | 上海飯店の常連客 |
| 篠原友之 | 酒井敏也 | 上海飯店の常連客 |
キャスト情報と人物設定はTBS公式の相関図、番組紹介、配信サービスの出演者情報に基づく。
吉高由里子が演じる東山結衣吉高由里子の演技で印象的なのは、結衣の自然体な雰囲気だ。
定時になれば迷わず帰る一方、困っている同僚を放っておけない。仕事に対してドライに見えて、実際には周囲の人間関係をよく観察している。
強い正義感を振りかざすヒーローではなく、普通の会社員としての感覚を持った主人公だからこそ、視聴者が自分自身を重ねやすい。
向井理が演じる種田晃太郎晃太郎は結衣の元婚約者であり、仕事上の頼れる存在でもある。
優秀で責任感が強い反面、自分の限界を超えてまで仕事を続けてしまう。
彼の姿は、結衣とは正反対の働き方を象徴している。二人の関係を追うことで、仕事に対する責任感と、自分を犠牲にしないことの違いが見えてくる。
中丸雄一が演じる諏訪巧巧は結衣の恋人で、物語の中で結婚を考える相手だ。
仕事だけに人生を費やすのではなく、プライベートを大切にする価値観を持つ。
しかし、結衣と晃太郎の過去を知ることで、二人の関係にも少しずつ変化が生まれていく。
ユースケ・サンタマリアが演じる福永清次福永は制作4部の新任部長で、物語における大きな対立軸となる人物だ。
本人は悪意を持って仕事を押し付けているつもりがなくても、無理な予算や納期を受け入れ、結果として現場の社員に負担をかけてしまう。
この人物の存在によって、個人の努力だけでは解決できない職場の構造的な問題が浮き彫りになる。
【全10話のあらすじと最終回】結衣・巧・晃太郎の関係はどう決着した?
物語は、結衣が定時退社を続けながら、職場の社員たちが抱える問題に向き合うところから始まる。
序盤では個々の社員の悩みが中心だが、後半になるにつれて福永が進める大規模案件をめぐり、制作4部全体が追い詰められていく。
第1話〜第3話:結衣の働き方と職場の問題第1話では、残業ゼロを貫く結衣の生活と、個性豊かな同僚たちが紹介される。
仕事を休まないことを誇りにする三谷、仕事の効率が悪い吾妻、すぐに辞めたいと言い出す来栖など、異なる価値観を持つ社員が登場する。
結衣は彼らの行動を一方的に否定せず、それぞれの事情を理解しようとする。
第2話では育休から復帰した賤ヶ岳八重が仕事と育児の両立に悩み、第3話ではクライアント関連の動画拡散によるトラブルが発生する。
第4話〜第6話:仕事の効率と人間関係中盤では、社員それぞれの働き方の問題がさらに掘り下げられる。
吾妻が会社に居残る理由、派遣デザイナー・桜宮の職場での立場、来栖の成長など、職場で起きるさまざまな問題に結衣が関わっていく。
一方、晃太郎の独立話や巧との結婚をめぐる出来事も進行する。
特に第6話では、晃太郎が今でも結衣を好きだと明かす展開があり、恋愛面でも大きな転機を迎える。
第7話〜第9話:ブラック上司とサービス残業の問題後半の中心となるのは、福永が持ち込んだ予算に見合わない大型案件「星印」の仕事だ。
福永の無理な受注によって、現場の負担は増大する。
加えて、結衣の知らないところで社員たちがサービス残業を始めていたことが判明する。
これまで残業ゼロを守ってきた結衣も、チームを守るために残業をするようになる。
その結果、巧との関係にもすれ違いが生じ、結衣自身も仕事に追われるようになっていく。
第10話・最終回:結衣が最後に選んだ働き方最終回では、巧から結衣に「結婚できない」と告げられるところから物語が動き出す。
一方、外注先の倒産によって制作4部は窮地に追い込まれる。
星印の案件を継続する条件として、クライアント側から福永を担当から外すよう要求され、結衣と晃太郎は難しい判断を迫られる。
結衣は福永と直接向き合い、これまでの無理な働き方を続ける必要はないと伝える。晃太郎も福永を守ることだけが正解ではないと判断し、現場の立て直しに動く。
しかし、晃太郎自身も再び仕事にのめり込んでしまう。結衣は彼を助けようとして無理を重ね、ついには倒れてしまう。
ここで物語は、結衣がかつて経験した過重労働の問題を再び描く。
最終的に星印の案件は納品され、運用まで受注することに成功する。結衣が社内の人員体制の改善を訴えたことも、状況を動かすきっかけとなった。
恋愛面では、巧と結衣はそれぞれの道を選び、別れることになる。
そして最後に晃太郎が結衣に告白し、一緒に住もうと提案する。
二人は新しい関係に向けて歩き出し、上海飯店へ向かう。
TBS公式の現場レポートでも、最終シーンは晃太郎から結衣への告白として紹介されている。仕事だけでなく、結衣の人生にも新しい選択が生まれたラストだった。
【2026年最新】再放送予定・動画配信サービス・DVDの視聴方法
2026年10月29日現在、本作を視聴する方法としては、動画配信サービスとDVD・Blu-rayが候補になる。
2026年10月の動画配信状況| サービス | 確認できる状況 | 備考 |
|---|---|---|
| U-NEXT | 見放題 | 作品ページで全10話を掲載 |
| Hulu | 作品ページあり | 第1話・シーズン情報を掲載 |
| TELASA | 作品ページあり | 全10話のエピソードを掲載 |
| TBS公式サイト | 当時の見逃し動画は終了 | 過去の番組情報を閲覧可能 |
| TBSチャンネル | 現在放送予定なし | 放送未定 |
最も分かりやすく確認できるのはU-NEXTだ。
2026年10月時点のU-NEXT公式作品ページでは、本作が見放題作品として掲載されている。全10話のエピソード情報に加え、出演者やスタッフも確認できる。
HuluとTELASAにも作品ページがあり、TELASAでは最終話までのエピソード情報が掲載されている。
ただし、配信期間や視聴条件は変更されることがあるため、登録前に各サービスの作品ページで最新の表示を確認したい。
2026年の再放送予定は?再放送については、TBSチャンネルの公式作品ページに「現在放送予定はございません」「放送未定」と表示されている。
したがって、少なくともTBSチャンネルでの新たな放送予定は確認できない。
地上波での再放送についても、放送日が決まったという公式告知は確認できないため、今すぐ視聴したい場合は配信サービスを利用する方法が現実的だ。
なお、TBSチャンネルでは番組の放送リクエストを受け付けている。再放送を希望する場合は、公式作品ページの案内も確認しておきたい。
DVD・Blu-rayで視聴する方法動画配信サービスを利用しない場合は、DVD・Blu-ray BOXも選択肢になる。
TBS公式の販売情報によると、DVD・Blu-ray BOXは2019年11月6日発売。本編全10話に加え、特典映像も収録されている。
キャストのインタビューやメイキング映像など、ドラマ本編以外の内容も楽しみたい人には魅力的な視聴方法だ。
中古市場で探す場合は、ディスクの状態や付属品、特典映像の有無を確認するとよい。
【よくある質問】『わたし、定時で帰ります。』に関するFAQ
Q1:『わたし、定時で帰ります。』は全部で何話ですか?
A1:全10話です。2019年4月16日に放送が始まり、2019年6月25日に最終回を迎えました。
Q2:東山結衣が定時で帰る本当の理由は何ですか?
A2:仕事中心の生活を送っていた父親の姿や、前職で過重労働を経験して倒れた過去が関係しています。自分の健康と人生を守るため、定時退社を大切にしています。
Q3:結衣は最後に種田晃太郎と結ばれますか?
A3:最終回では巧と別れた後、晃太郎から告白され、一緒に住もうと提案されます。二人の新しい関係を予感させる結末です。
Q4:原作小説は完結していますか?
A4:朱野帰子によるシリーズ作品が複数刊行されています。『ハイパー』『2―打倒!パワハラ企業編―』『―ライジング―』『3―仁義なき賃上げ闘争編―』など、ドラマ放送後の物語も楽しめます。
Q5:2026年現在、どこで視聴できますか?
A5:2026年10月時点では、U-NEXTで見放題作品として掲載されています。HuluやTELASAにも作品ページがあります。配信条件は各サービスで確認してください。
Q6:2026年に再放送の予定はありますか?
A6:TBSチャンネルでは現在放送予定なし、放送未定となっています。地上波を含め、再放送の最新情報はTBSの公式番組情報で確認する必要があります。
『わたし、定時で帰ります。』は、単純に残業を否定するドラマではない。
吉高由里子演じる東山結衣は、仕事を効率よく進め、仲間の問題にも向き合う。一方で、自分の健康やプライベートを犠牲にする働き方には疑問を投げかける。
向井理演じる種田晃太郎、中丸雄一演じる諏訪巧、ユースケ・サンタマリア演じる福永清次など、異なる仕事観を持つ人物との関係も見どころだ。
2019年の放送当時、働き方改革関連法による時間外労働の上限規制は、大企業で同年4月、中小企業で2020年4月から施行された。原則として時間外労働は月45時間・年360時間が上限となり、例外にも一定の制限が設けられている。
ただし、この法律は一律に残業ゼロを義務付けるものではない。だからこそ、結衣が示す「仕事をきちんとすること」と「自分の人生を大切にすること」の両立には、今も考える価値がある。
【プロの結論】
本作をおすすめしたいのは、次のような人だ。
- 職場の人間関係や上司との付き合い方に悩んでいる人
- 残業や休日出勤が当たり前になっている職場で働いている人
- 仕事と家庭、趣味、自分の時間のバランスを考えたい人
- 吉高由里子、向井理、中丸雄一らの人間ドラマを楽しみたい人
- 働き方改革や職場環境をテーマにしたドラマに興味がある人
一方、恋愛や職場の人間模様よりも、テンポの速い事件ものやサスペンスを求める人には、少し落ち着いた作品に感じられるかもしれない。
作品を選ぶ際に注目したいのは、定時退社そのものではなく、登場人物がなぜその働き方を選ぶのかという背景だ。
結衣が最後まで守ろうとしたものは、時計の針が示す退社時刻だけではない。仕事のために自分の人生を失わないという、彼女自身の生き方だった。
2026年に改めて視聴しても、仕事と人生の優先順位を考えるきっかけを与えてくれる一作である。