2026年、読売ジャイアンツの新球場をめぐって注目されているのが、東京都稲城市の「ジャイアンツタウン スタジアム」と、中央区の旧築地市場跡地に計画されている約5万人収容のマルチスタジアムです。どちらも読売グループと関係する施設であることから、「巨人の新しい本拠地になるのではないか」「東京ドームから築地へ移転するのか」といった疑問が広がっています。
しかし、2つの計画は目的も規模も大きく異なります。稲城の球場は2025年3月に開業した巨人の二軍新球場であり、築地は三井不動産や読売新聞グループ本社などが推進する大規模な複合開発事業です。2026年10月現在の公式情報、日本野球機構(NPB)の公表内容、山口寿一オーナーの過去の発言を照らし合わせると、東京ドームからの本拠地移転が決定したという事実はありません。
【2026年最新】巨人新球場は稲城と築地の2つ!まず違いを整理

「巨人新球場」という検索ワードが複雑になっている最大の理由は、性格の異なる2つの施設が同時期に注目されているためです。
一方は、若手選手の育成やファーム公式戦を目的とした稲城市の球場。もう一方は、野球だけでなくコンサートやサッカー、国際的なイベントなどにも対応する築地の大型施設です。
稲城市の新球場は二軍の育成拠点稲城市に誕生したジャイアンツタウン スタジアムは、読売ジャイアンツのファーム本拠地として整備された施設です。
2025年3月1日に開業し、同月から公式戦の開催拠点として使用されています。従来の読売ジャイアンツ球場から新しい施設へ、二軍の公式戦開催拠点が移ったことが大きな変化です。
観客と選手の距離が近く、若手選手のプレーを間近で楽しめる設計も特徴です。
築地は巨人専用球場ではない大型開発計画築地市場跡地の計画は、約19万平方メートルの都有地を活用する大規模な都市再開発です。
中心となるのは約5万人規模のマルチスタジアムですが、施設の利用目的はプロ野球に限定されていません。ラグビー、サッカー、バスケットボール、音楽ライブ、展示会など、多様な用途を想定しています。
つまり、稲城は巨人のファーム運営に直結する球場であり、築地は東京の新しい集客・交流拠点をつくる都市開発という違いがあります。
【稲城市の新球場】ジャイアンツタウンスタジアムは現在どうなっている?
稲城市の新球場は、すでに完成し、実際に野球観戦ができる施設です。2026年現在、巨人の二軍新球場としての役割を担っています。
ジャイアンツタウン スタジアムは2025年3月1日に開業。2027年には水族館や飲食施設も含めたTOKYO GIANTS TOWNのグランドオープンが予定されています。
これは稲城市の公式ウェブサイトでも案内されている内容です。
ジャイアンツタウン スタジアムの基本スペック球場の主な仕様は次のとおりです。
- 所在地:東京都稲城市矢野口3228番地南山95街区1号
- 開業日:2025年3月1日
- 収容人数:約2,900席
- 構造:地上3階建て、鉄筋コンクリート造一部鉄骨
- 中堅:122メートル
- 両翼:100メートル
- グラウンド:人工芝
- 照明:LEDナイター照明
- サブグラウンド:人工芝、約4,800平方メートル
約2,900席という規模は、東京ドームのような一軍の大規模興行を目的とする施設とは異なります。
むしろ、若手選手の成長を見守るファーム観戦に適した環境づくりが重視されています。外野には芝生席やカウンター席などが設けられ、観客が選手を身近に感じられる構成です。
TOKYO GIANTS TOWNは球場だけでは終わらない注目したいのは、ジャイアンツタウン スタジアムが単独の野球場ではないという点です。
読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランドの3社が共同で進める「TOKYO GIANTS TOWN」は、スポーツとエンターテインメントを融合させた地域開発プロジェクトです。
2027年には水族館や飲食施設なども加わり、球場観戦以外の目的でも訪れられる複合的な施設へと発展する計画です。
野球観戦を中心に、家族でのレジャーや食事なども楽しめる場所を目指している点が特徴といえます。
二軍の本拠地移転はすでに実現している日本野球機構が2026年1月23日に公開した「ファーム球場物語」では、巨人のファーム公式戦開催球場の変遷が紹介されています。
同記事によると、巨人は1962年から多摩川グラウンドを使用し、1986年から2024年までは神奈川県川崎市のジャイアンツ球場を約40年間にわたって使用しました。そして2025年からは、ジャイアンツタウン スタジアムが新たな公式戦の開催拠点となっています。
ここで重要なのは、移転したのが一軍の本拠地ではなく、ファームの公式戦開催拠点だということです。
【築地市場跡地】約5万人収容の新スタジアム計画と2030年代の開業時期
巨人の本拠地移転説を大きくしたのが、旧築地市場跡地に計画されている巨大スタジアムです。
東京都が進めてきた「築地地区まちづくり事業」では、三井不動産を代表企業とする企業グループが2024年4月に事業予定者として選定されました。
この企業グループには、トヨタ不動産と読売新聞グループ本社も参加しています。読売新聞グループが関係する大型スタジアムという点が、巨人の移転先候補として注目される背景になっています。
約5万人収容のマルチスタジアムとは?築地に計画されているのは、約5万人を収容できる屋内全天候型のマルチスタジアムです。
三井不動産などが公表した計画では、可動席や仮設席を活用し、イベントの内容に応じてフィールドや客席の形状を変える構想が示されています。
野球だけでなく、サッカー、ラグビー、バスケットボール、eスポーツ、音楽ライブ、演劇、展示会など、多様なイベントに対応することを目指しています。
2024年の当初提案では、用途に応じて約2万席から最大約5万7,000席まで変化させる構想も公表されました。
そのため、「約5万人収容」という数字は、常に野球専用の固定席が5万人分用意されるという意味ではありません。利用目的によって収容人数が変わる施設です。
築地地区まちづくり事業の規模2025年8月22日には、三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社が築地地区まちづくり事業の基本計画を発表しました。
公表された計画の主な数字は次のとおりです。
- 活用する都有地:約19万平方メートル
- 総延床面積:約126万平方メートル
- 総事業費:約9,000億円
- 主要建物:合計9棟
- スタジアム:約5万人収容
- 開業時期:2030年代前半以降
スタジアムのほかにも、ライフサイエンス・商業複合棟、MICE・ホテル・レジデンス棟、オフィス棟、舟運・シアターホール複合棟などが計画されています。
単なる球場建設ではなく、商業、宿泊、文化、ビジネス、交通を組み合わせた街づくりであることが分かります。
2026年10月現在、築地の工事はどこまで進んでいる?2026年10月30日時点で、築地のスタジアムはまだ開業していません。
築地まちづくり公式ウェブサイトでは、2026年8月31日付で現場の状況が更新され、埋蔵文化財発掘調査の様子が公開されています。2026年7月6日、5月15日、2月26日にも現場状況に関するお知らせが掲載されました。
また、2025年3月には東京都と築地まちづくり株式会社などが基本協定を締結し、同年8月には基本計画が策定されています。
現在は、こうした事業手続きや現地調査を経ながら、2030年代の街開きを目指して進められている段階です。
開業時期については、2025年8月に公表された基本計画と2026年10月時点の公式プロジェクト情報のいずれも「2030年代前半以降」としています。特定の日付や年度を確定した開業日として扱うことはできません。
【徹底比較】稲城の新球場と築地スタジアムの関係・違い一覧
2つの施設を比較すると、巨人との関係や利用目的がまったく異なることが分かります。
| 比較項目 | 稲城・ジャイアンツタウン | 築地・マルチスタジアム |
|---|---|---|
| 施設名 | ジャイアンツタウン スタジアム | 築地地区まちづくり事業のマルチスタジアム |
| 所在地 | 東京都稲城市 | 東京都中央区築地 |
| 主な目的 | 巨人のファーム育成・公式戦 | スポーツ・文化・エンターテインメントの集客 |
| 収容規模 | 約2,900席 | 約5万人、用途により可変 |
| 開業状況 | 2025年3月1日開業済み | 計画・整備段階 |
| 開業時期 | 2025年3月 | 2030年代前半以降 |
| 巨人との関係 | 二軍の新たな公式戦本拠地 | 読売新聞グループ本社が事業に参加 |
| 主な関係企業 | 読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランド | 三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社など |
| 一軍本拠地との関係 | 東京ドームからの移転先ではない | 巨人の移転は正式決定されていない |
この比較から読み取れるのは、稲城と築地が競合する2つの巨人専用球場ではないということです。
稲城は選手育成とファーム興行のための実働施設。築地は野球を含むさまざまな興行を受け入れる大型施設です。
加えて、両者は関係する企業や組織にも共通点があります。読売グループがそれぞれの事業に関わっていることが、検索上で混同されやすい理由の一つです。
【東京ドーム移転の真相】山口寿一オーナーの発言から読み解く
最も注目されているのは、築地の新スタジアムが東京ドームに代わる巨人の一軍本拠地になるのかという問題です。
この疑問について、重要な手掛かりとなるのが2024年5月1日の記者会見です。
山口寿一オーナーは何と説明した?2024年5月1日、築地地区まちづくり事業の事業予定者決定に関する記者会見が開催されました。
出席したのは、読売新聞グループ本社代表取締役社長であり、読売ジャイアンツのオーナーでもある山口寿一氏です。
約5万人収容の新スタジアムについて巨人の本拠地移転との関係を問われ、山口オーナーは次のように説明しました。
「巨人軍の本拠地移転を前提にしてきたものではございません」
これは日刊スポーツが2024年5月1日に報じた会見内容です。
一方で山口オーナーは、新スタジアムの魅力について、使ってみたい気持ちはあるとも説明しています。
加えて、本拠地の移転は球団にとって大きな仕事であり、相当な調整が必要になること、読売だけで決められる問題ではないことにも言及しました。
ここで押さえておきたいのは、施設への関心と球団の移転決定は別の話だということです。
2026年も東京ドームが一軍の本拠地2026年10月時点で、日本野球機構の球団別インデックスには、読売ジャイアンツの本拠地として東京ドームが掲載されています。
NPBの2026年度の試合情報にも、東京ドームで開催された巨人の公式戦が記録されています。
したがって、築地への本拠地移転がすでに実現した、あるいは正式決定したという状況ではありません。
東京ドームは1988年に開場した施設であり、将来の球場環境や設備更新を考えるうえで、新しいスタジアムの存在が注目されるのは自然なことです。
ただし、築地の事業計画に読売新聞グループ本社が参加していることだけを根拠に、巨人の一軍移転が決まったと判断することはできません。
築地が巨人の新本拠地候補として注目される理由それでも築地と巨人の関係が話題になるのには、いくつかの背景があります。
第一に、読売新聞グループ本社が事業主体の一角を担っていることです。球団オーナーを務める山口氏が同社の代表取締役社長でもあるため、球団と開発事業の関係が注目されます。
第二に、約5万人規模という収容能力です。プロ野球の一軍興行を想像しやすい規模であり、東京ドームの将来と結び付けて考える人が多いのでしょう。
第三に、都心部という立地です。築地は中央区に位置し、銀座や新橋などにも近いエリアです。商業施設やホテル、交通機能との連携を含めた大規模な集客が期待されています。
しかし、これらは施設の魅力や立地に関する評価であり、巨人の移転を決定する公式情報とは区別する必要があります。
【プロの結論】巨人の新球場計画で今後注目すべき5つの判断材料
巨人の新球場をめぐる話題は、単純に「どちらの球場が新しいか」という比較では整理できません。
重要なのは、ファームの育成環境、一軍の興行基盤、都市開発、施設運営という異なる課題を分けて考えることです。
1. 二軍施設の充実と一軍本拠地の移転は別問題稲城のジャイアンツタウン スタジアムが担うのは、若手選手の育成とファーム公式戦の開催です。
選手の練習環境や観客との距離、地域との交流など、球団の育成基盤を強化する役割があります。
一方、一軍の本拠地には、年間を通じた公式戦の開催能力、大規模な観客輸送、スポンサー対応、放送・イベント運営など、別の条件が大切です。
二軍の球場が完成したからといって、一軍の本拠地まで移転する必要が生じるわけではありません。
2. 築地スタジアムの本来の目的は都市開発築地地区まちづくり事業の基本計画には、マルチスタジアム以外にも商業施設、ホテル、オフィス、住宅、文化施設などが含まれています。
また、約10ヘクタールのオープンスペースや水辺空間を整備し、隅田川や浜離宮恩賜庭園との調和を図る構想も示されています。
こうした計画全体を見ると、スタジアムは街の集客機能を担う中核施設の一つです。
プロ野球の本拠地としての利用だけを前提にすると、事業全体の狙いを見誤ることになります。
3. 一軍移転には球団以外との調整も必要本拠地移転は、球場の所有者や運営会社だけで決められる問題ではありません。
球団、リーグ、球場運営者、自治体、興行関係者、スポンサー、交通事業者など、多くの関係者との調整が発生します。
山口オーナーが2024年の会見で、移転には相当な調整が必要であり、読売だけで決められることではないと述べたのも、この問題の複雑さを示しています。
4. 築地の開業時期と施設仕様の確定を見極める2026年現在、築地の開業時期は2030年代前半以降とされています。
これからの注目点は、実際の工事工程、スタジアムの最終仕様、イベント開催方針、交通インフラの整備状況です。
特に、野球を開催する際のフィールド仕様や客席配置、運営方法などは、実際の利用価値を判断するうえで重要な要素になります。
5. 正式な移転発表と構想段階の報道を区別する今後、築地のスタジアムについて新しいニュースが出た場合、次の情報を確認すると状況を判断しやすくなります。
- 巨人球団による一軍本拠地移転の正式発表があるか
- NPBの球団本拠地情報に変更があるか
- 球場の運営主体や利用契約が公表されているか
- 野球の公式戦開催について具体的な発表があるか
- 東京都や事業者が開業時期・施設仕様を更新しているか
これらが確認できて初めて、築地が巨人の新本拠地としてどのような位置付けになるのか、具体的な評価が可能になります。
巨人新球場に関するよくある質問(FAQ)
Q1:巨人の新球場は稲城と築地のどちらですか?
A1:二軍の新球場は東京都稲城市のジャイアンツタウン スタジアムです。築地には別の計画として約5万人収容のマルチスタジアムが整備される予定です。両者は目的が異なります。
Q2:ジャイアンツタウン スタジアムはいつ開業しましたか?
A2:2025年3月1日に開業しました。収容人数は約2,900席で、巨人のファーム公式戦の新たな開催拠点になっています。
Q3:築地の新スタジアムはいつ開業しますか?
A3:公式プロジェクト情報では2030年代前半以降とされています。2026年10月現在、開業済みではなく、現地では埋蔵文化財の発掘調査などが進められています。
Q4:築地の新球場は巨人の新しい一軍本拠地になりますか?
A4:正式決定されていません。山口寿一オーナーは2024年5月、巨人の本拠地移転を前提とした計画ではないと説明しています。2026年時点でもNPBが掲載する巨人の本拠地は東京ドームです。
Q5:築地スタジアムは巨人専用の球場ですか?
A5:いいえ。野球だけでなく、サッカー、ラグビー、バスケットボール、コンサート、展示会など、幅広いイベントへの対応を想定したマルチスタジアムです。
Q6:築地の新スタジアムには何人入れますか?
A6:基本構想では約5万人規模です。当初提案ではイベントの用途に応じて約2万席から最大約5万7,000席まで変更できる構想が示されています。
2026年の巨人新球場を整理すると、稲城と築地という2つの計画は、それぞれ異なる目的を持って進んでいます。
稲城市のジャイアンツタウン スタジアムは、2025年3月に開業した二軍の新たな公式戦拠点です。TOKYO GIANTS TOWNとして水族館や飲食施設を含めた地域開発も進められています。
一方、築地市場跡地のマルチスタジアムは、三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社などが関係する大規模な都市開発事業です。約5万人収容の施設を中心に、商業、宿泊、文化、交通などを組み合わせた街づくりが計画されており、開業は2030年代前半以降を予定しています。
そして、最も気になる東京ドームからの本拠地移転については、2026年10月現在、正式な決定はありません。山口寿一オーナーの2024年の説明と、NPBが掲載する現在の本拠地情報を踏まえれば、築地への移転を既定路線として扱うことはできません。
今後の注目点は、築地の建設計画がどのように具体化するのか、マルチスタジアムの野球利用がどこまで広がるのか、そして巨人球団が将来の本拠地についてどのような方針を示すのかという3点です。
稲城はすでに動き始めた二軍の新拠点、築地は2030年代を見据えた東京の新しい大型スタジアム計画。そして東京ドームは、2026年現在も巨人の一軍本拠地です。 この3つを区別することが、巨人の新球場をめぐるニュースを正しく理解するためのポイントになります。
主な事実確認資料: 稲城市公式情報、NPBの2026年ファーム球場特集、東京都都市整備局、三井不動産の2025年基本計画、築地まちづくり公式発表、日刊スポーツの山口オーナー会見報道。